埋葬許可証とは ー 火葬許可証に火葬済の印が押された書類
埋葬許可証とは、遺骨を墓地や納骨堂に納める(埋葬する)際に、霊園や寺院に提出する公的書類です。墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)第5条により、埋葬許可証がなければ遺骨を墓地に埋葬することはできません。
この書類は、独立した書類として新たに発行されるものではありません。市区町村から交付される「火葬許可証」に対して、火葬場が火葬を実施した証として日付や印を押すことで、そのまま「埋葬許可証」として機能する仕組みです。
自治体によって呼び方が異なり、「埋火葬許可証」「火葬許可証(埋葬許可証)」など、一枚の書類が火葬と埋葬の両方の許可を兼ねているケースも多く見られます。名称は異なっても、役割は同じです。
埋葬許可証を取得するまでの流れ
埋葬許可証は、死亡届の提出から火葬の完了までの一連の手続きの中で取得します。特別な申請をする必要はなく、通常の手続きを進めれば自然と手元に届きます。
| 手順 | 手続きの内容 | 届出先・場所 |
|---|---|---|
| 1 | 死亡届を提出する(死亡の事実を知った日から7日以内) | 故人の本籍地・届出人の住所地・死亡地のいずれかの市区町村役場 |
| 2 | 火葬許可証を受け取る(死亡届と同時に申請) | 同上の市区町村役場窓口 |
| 3 | 火葬を行い、火葬許可証に火葬済の証印を受ける | 火葬場 |
| 4 | 証印済の書類が「埋葬許可証」として機能する | ー |
実際の手続きでは、葬儀社が死亡届の提出から火葬許可証の受け取りまでを代行してくれるケースがほとんどです。火葬後、骨壷と一緒に埋葬許可証を受け取ります。この書類は納骨時まで大切に保管してください。
埋葬許可証が必要な場面
埋葬許可証は、主に納骨のタイミングで必要になります。それ以外にも提出を求められる場面があるため、整理しておきます。
納骨時の提出
最も一般的な提出場面は、遺骨を墓地や納骨堂に納める納骨時です。霊園や寺院の管理者は、埋葬許可証の提出を受けなければ遺骨を受け入れることができません。これは墓地埋葬法で定められた義務です。
納骨は四十九日法要に合わせて行うことが多いですが、時期に法的な決まりはありません。一周忌や三回忌のタイミングで納骨する方もいます。いずれの場合も、埋葬許可証の提出が必要です。
新しい墓地・納骨堂との契約時
墓地や納骨堂を新たに契約する際に、埋葬許可証の写しの提出を求められることがあります。遺骨が正式な手続きを経たものであることを確認するためです。
分骨時の確認書類として
遺骨を複数の場所に分けて納める分骨を行う場合、分骨先の墓地でも埋葬に関する書類の提出が必要です。分骨の際は火葬場や墓地管理者から「分骨証明書」を発行してもらい、それを分骨先に提出します。
埋葬許可証と改葬許可証の違い
埋葬許可証と混同されやすい書類に「改葬許可証」があります。どちらも遺骨の埋葬に関する書類ですが、用途が明確に異なります。
| 項目 | 埋葬許可証 | 改葬許可証 |
|---|---|---|
| 用途 | 遺骨を初めて墓地・納骨堂に納める | 埋葬済の遺骨を別の墓地に移す(改葬) |
| 発行元 | 火葬場(火葬許可証に証印) | 現在の墓地がある市区町村 |
| 取得タイミング | 火葬後 | 改葬の申請時 |
| 提出先 | 納骨先の墓地・納骨堂 | 移転先の墓地・納骨堂 |
簡潔にまとめると、埋葬許可証は「初めて納骨するとき」に必要な書類で、改葬許可証は「すでに埋葬されている遺骨を移すとき」に必要な書類です。墓じまいや引っ越しに伴って遺骨を移動する場合は、埋葬許可証ではなく改葬許可証が必要です。
改葬許可証の取得方法や手続きの詳細については、「改葬許可証の取り方」で詳しく解説しています。また、墓じまいに必要な書類の全体像は「墓じまいの必要書類一覧」をご覧ください。
紛失した場合の再発行手続き
埋葬許可証は、火葬から納骨までの間に数か月から数年の期間が空くこともあるため、紛失してしまうケースは珍しくありません。紛失した場合でも、所定の手続きを踏めば再発行が可能です。
再発行の申請先
埋葬許可証の再発行は、火葬許可証を発行した市区町村の窓口で申請します。火葬場ではなく、死亡届を提出した市区町村役場が窓口です。
再発行に必要なもの
| 必要書類・持ち物 | 備考 |
|---|---|
| 申請者の本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカードなど |
| 故人の情報 | 氏名、死亡年月日、火葬を行った場所など |
| 申請者と故人の関係を証明する書類 | 戸籍謄本など(自治体により異なる) |
| 手数料 | 無料〜400円程度(自治体により異なる) |
再発行の期限に注意
火葬許可証(埋葬許可証)の記録は、市区町村で一定期間保存されています。保存期間は自治体によって異なりますが、多くの場合は5年間です。保存期間を過ぎると記録が廃棄される可能性があるため、再発行が困難になることがあります。
5年以上前の火葬記録についても、火葬場に記録が残っている場合は対応してもらえることがあります。まずは市区町村の窓口に相談してください。
埋葬許可証の保管の注意点
埋葬許可証は納骨時に必ず必要になる書類です。紛失を防ぐために、保管場所と方法を決めておくことが大切です。
骨壷と一緒に保管する
最も一般的な保管方法は、骨壷を入れている箱の中に埋葬許可証を一緒に入れておくことです。火葬場で骨壷を受け取る際に、埋葬許可証を骨壷の箱に入れてくれることが多いため、そのまま保管しておけば紛失のリスクを減らせます。
コピーを取っておく
原本を紛失した場合に備えて、コピーを取っておくことをおすすめします。コピー自体に法的効力はありませんが、再発行の際に故人の情報や火葬場の記録を確認するための手がかりになります。
他の重要書類と分けて管理する
埋葬許可証を他の書類と混ぜて保管すると、見つからなくなることがあります。葬儀関連の書類(死亡届の控え、火葬場の領収書など)と一緒に、専用のファイルやクリアケースにまとめておくと安心です。
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よくある質問
Q. 埋葬許可証と火葬許可証は同じもの? ▼
元は同じ書類です。市区町村から交付される「火葬許可証」に、火葬場で火葬済の証印が押されると「埋葬許可証」として機能します。名称は自治体によって異なり、「火葬許可証」のまま納骨に使えるケースもあります。
Q. 埋葬許可証はいつまで保管すればいい? ▼
納骨が完了するまで必ず保管してください。納骨後も、改葬や分骨の手続きで提出を求められることがあるため、可能な限り永久保管が望ましいです。
Q. 埋葬許可証を紛失した場合、納骨はできない? ▼
そのままでは納骨できません。火葬を行った市区町村の窓口で再発行の手続きを行う必要があります。再発行には数日かかることもあるため、納骨の予定がある場合は早めに対応してください。
Q. 埋葬許可証と改葬許可証の違いは? ▼
埋葬許可証は、遺骨を初めて墓地や納骨堂に納める際に必要な書類です。改葬許可証は、すでに埋葬されている遺骨を別の墓地に移す際に必要な書類です。それぞれ用途が異なります。
Q. 埋葬許可証の発行に費用はかかる? ▼
火葬許可証(埋葬許可証)の発行手数料は無料の自治体がほとんどです。ただし、紛失による再発行の場合は、自治体によって300円〜400円程度の手数料がかかることがあります。
まとめ
埋葬許可証は、遺骨を墓地や納骨堂に納めるために欠かせない書類です。火葬許可証に火葬場で証印が押されることで埋葬許可証として機能するため、特別な申請手続きは不要ですが、納骨時まで確実に保管しておく必要があります。
紛失した場合でも再発行は可能ですが、市区町村での記録の保存期間(多くは5年)を過ぎると手続きが困難になることがあります。火葬後は骨壷の箱に入れて保管し、コピーも取っておくと安心です。
なお、すでに埋葬されている遺骨を別の場所に移す場合は、埋葬許可証ではなく改葬許可証が必要です。手続きの種類を正しく把握して、必要な書類を漏れなく準備してください。